徹頭徹尾ホラー映画じゃないですかやだー!!!!とまではならなかったよ。なげつです。
先日まで開催してたイベント「レイクミドロの悪夢」の感想になります。
※グロ版先行情報を踏みたくないのでそこまで調べなおしたりしてません。した。ちょっと曖昧過ぎて気持ち悪かったから調べなおした。
個人がプレイして解釈した内容になるため、実際の設定と相違点があるかもしれません。ご了承ください。
イベント概要
イベント前ムービーからわかる物なんて少ないよね。ホラー映画ってことくらいかな?
映画とかのオープニングムービーをほうふつとさせるムービーとてもわくわくする。好き。
プロローグをかいつまむと
ある日財団本部にて少しの間休暇があると話していたヴェルティとソネットが、トゥースフェアリーとホラーペディアと一緒に曰く付きの湖、レイクミドロを訪れる……
レイクミドロで強大な魔精と遭遇した彼らは応戦中、映画を撮影中だった大学生グループと出会う。彼らは一見よくみるアメリカの大学生グループのようだが……?
はじめてヴェルティとソネットが揃ってイベントに出たある意味記念すべきイベントですね。
感想※以下ネタバレを含みます
今回のイベントは最初のビジュアルから察してた通りホラー映画をモチーフにしているシナリオでした。
ホラー映画をたくさん見ているわけではないので、折角の盛り上がりを理解できない可能性があると思ってましたが、よくネットであるあるネタにされてるホラー映画ネタが主な要素になってたり、そういうあるある要素に興奮して雰囲気多少ぶち壊しながら横入り解説・考察するホラーペディアの存在がいたことで、雰囲気感じろ!!みたいな楽しみ方ができたんじゃないかなと思います。
意外だったのは物語における中心がジェイミーだったことですかね。前回のリメカップではメインがメラニアだったので、今回はトゥースフェアリーかと勝手な思い込みをしてました。
まぁラスボスがジェシカだったんですけど。
レッテルに縛られない幸福を見つける物語
作中で出てくるコテコテのB級ホラー映画の登場人物よろしく、今回のサブキャラクターはかなり偏見的で差別的でしたね。それでも監禁と飼育放棄はよろしくないぞ?
人間から見る神秘学家の不透明性、実態のなさ、でも人間とは違うもの。そういうものは怖いよね。得体のしれないものは隣に居てほしくないよね。
そういった知ってることが少ない人間側の、そんな気持ちはわかる。そしてそういう意識が問題ではなかった時代が舞台なんだと。
その場(時代であったり立場であったり)における当然の認識や意識に、物語の受け手の存在がいない描写シーンにグッとくるタチです。戦国時代の常識と現代の常識はまぁ違うよねって突き付けてくるやつ。
もちろん当時はなかった(表立って存在しなかった)主張が、この作品では大々的にあるみたいなフィクション描写も面白くて好きです。が、こちらとあちらの価値観や認識にどうしようもない壁があると認識させられる、考えさせられる瞬間があるって良いものだと思っています。
読んだ瞬間はムッとするけど、噛み砕いてくとそうか、彼らは彼ら視点でしかものを語っていないんだからたしかに……みたいに理解が及ぶ瞬間、楽しい。
そういう感じで大学生たちの思考を整理してみると。
ジェイミーは神秘学家だけど「人間の金髪娘のように振る舞っていたから」一応は仲間に入れてた。
ジェイミーの周りに神秘学家の仲間はおらず、彼女はどうやら人間の中にいたいらしく「金髪娘」でいる。金髪娘は得体が知れてるから構わない。
しかも彼女の家は成金のお金持ちだ。「仲良く」していて損はない。
こんな感じの考え方?いや改めると酷くない……?人間からみていい子でいるならって、これは怖い目を見て監禁されても当然だったかもしれない。
対する神秘学家達はわりと人間に対してフラットな反応、冷淡な反応にみえた。
その実、今がそうなだけでジェイミーのように、神秘学家は多かれ少なかれの迫害を受けていることはトゥースフェアリーの「旧歯と古傷」でも明白なんですけどね。聡明さや独自理論の裏には現実がある。つらい。
レイクミドロでは優しくジェイミーを導いていたトゥースフェアリーが幼少期に神秘学家、人間そのどちらからも迫害されてたって読んだときは目を覆いたくなりました。
ソネットがいってた財団の人間大切にしましょう(超訳)規定云々よりも前に「自分たちはこうだけど人間はこうではない、からこうである。」みたいな逆説的な理解であったり、神秘学家という括りの中でも異端は廃される事を人間よりも知っているからフラットな態度になるのかも。
(異端への扱いはメイン三章の外から編入してきたマチルダの発した「外の回答」に対する生徒の冷やかしにも滲んでたかも)
とはいえどれだけ正論と事実を並べても偏見は絶えないし、だからってなぁ?そうらしいし。みたいな感じでそこからまた争いが生まれる。起こさないようにすればその人に負荷がかかる。
もっとそういう薄暗い話はマヌス・ヴェンデッタの方でいずれは踏み込んでくるだろうけど、もっと酷いものを見ることになるんだろうなぁ。こわいような見たくてうずうずするような。
今回の同行メンバーは
酸いも甘いも噛み分けてきたヴェルティ(動じない)
人間に偏見のないソネット(分からない)
ホラー映画大好きホラーペディア(興味ない)
人間にもある程度関わってきたトゥースフェアリー(構わない)
のないない四人衆だったからまだジェシカに拉致られてポイされて終わったけど、他の神秘学家だったらダメだったんじゃないかなぁ彼ら。
ジェイミーはかなりストレス溜めて生きてて。最初の方は特に怒りっぽい性格してたのは、人間世界で生きていくために相当無理していて今回の件が無かったらずっとそうだったのかもしれない。
「金髪娘はこうあるべし」の手本のように生きてきたジェイミーに対して、人間の理系眼鏡は口汚くて女性に優しくないし、ガタイのいい体育会系は気弱という、現実はレッテル通りじゃないって言うのがままならないポイント。
合わせてる側が馬鹿みたいなそんな虚しさをジェイミーは抱えながら彼らの中で生きてきて、巡り巡ってレイクミドロという原点に帰ってきたことは、彼女の中の防衛本能からくる必然的な帰結だったんでしょう。
そんなジェイミーの意思を尊重しつつ、医者として神秘学家として言葉をかわすトゥース・フェアリーのあたたかさがとても良かった。
旧歯と古傷のトゥース・フェアリーすごく良かった。人間も歯を集めたりするじゃない?っていったあとにこれは私の歯ではないっていう発言かますところとかに神秘学家を感じた。
それが己のやったことを忘れないための戒めだったっていう悲しい結末も含めて良い……。ジェイミーにトゥース・フェアリーは一瞬自分の過去を見たのかもしれない。でも彼女は聡明だから、ジェイミーと自分の立場や考え方の違いを正しく理解していそう。
ホラーペディアは大げさで芝居がかった話し方するおもしれー男と思ったら段々ちょっとしたお節介を焼く近所のお兄さんムーブしてていい味出してた。
そんな風に年上っぽいムーブしてたのに、最終的にはZに若人扱いされてたのも味わいポイント。財団職員はきっちりかっちりだけではない。ってことが分かったことでちょっと認識のアップデートできた。
ところで与太ですが、ジェイミーは最終的にヴェルティの下につく神秘学家扱いになるんだろうけど、ジェイミーの親御さんはどういう扱いになるんだろ?財団に寄付をするから今のままで……みたいな感じかな。
どこまでも無垢なジェシカ
いや、ジェシカはヤバイぞ。分割して話さなきゃいけない気がした。ヤバイこの一言に尽きる。
残り2時間……? |
ジェシカ、地味に生い立ちが重い女です。
幼い頃に両親を亡くし、ゼノミリタリーの実験生物となり、レイクミドロ付近に生息してる調教済み魔精の主となり、ヴェルティが口説き落として財団に来た女の子。
ジェシカの絆がまだ最大じゃないので未確認の要素もあるんですが、そもそも北米の鹿女(文化1より)→両親が亡くなりゼノミリタリーないし研究者が実験生物として引き取る(イベ中のメモより)→チェンジリングの性質をもった魔精とゲノム実験で悪魔合体(文化2より)という解釈かな……
財団の人体実験はしない件については、いやこれは人ではなく実験生物だからセーフですみたいな暴論か?
一応図鑑が神秘学家枠だったので鹿から人になったとか、魔精が人間性と獲得した。というわけではなく、ベースは人……?でいいはずなんですよね。(人以外から言語を獲得したものは別枠ページにまとめられてるので)
このEPだと完全に鹿なのは、彼女の自認が人ではなく実験生物だから……?
ジェシカのミニシナリオで面談してると格段に伸びが良く効率がいいことに気付いたときの気持ち。
こいつは出会うだけ道徳値を0にしていく男ホラーペディア |
ジェシカの気持ちとしては、ずっとずっと待っていたジェニファーが会いに来てくれた。それがどんなに彼女にとって嬉しいことだったのか、だからずっと一緒にいてほしい。私のいままでの成果を見て聞いて感じて欲しい。圧が強い。
でもただそれだけだったんでしょうね。拉致監禁の後飽きる(世話の放棄で衰弱死手前)というとんでもコンボぶつけてきたけど。
それなら確かに座学よりも人と触れ合ったり、外の世界を体験してより直接的に常識や良識を身に着けていくことが彼女にとって大切で必要な経験ということでよく伸びるんでしょうね。
お行儀よく人間の社会に溶け込むものではなく、彼女らしい生き方の中で人を思う心の獲得をしていくことが重要だったと。
ところでこのやらかしお嬢さんを外に出すためにヴェルティはどれだけの資料を両手に抱えて走り回ったんだろうか……いや口説いた側の責任かも?
おしまい
レッテルの話題をホラー映画あるあるとカースト社会の大学生という組み合わせで見せてくるのがすごく上手な取り合わせで大変面白かったです。
前回のリメカップと違って明確な一言で表現できなかったんですが、このゲームがこれからも取り扱っていく人間と神秘学家の関係性の一つが出てきたって感じでしたね。
次の(もう後半戦が始まっている)モル・パンク遊記についてもカロリーが高い!っていいながら読んでいます。それでは。前回のリメカップ感想はこちら
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